伝え方で意識すべきは、知りたいテーマに関する情報をこちらから先に打ち明けるという点です。例えば、お客様がホストの世界に興味を抱いたきっかけについて知りたければ、「20代半ばまで僕は建築会社の社長だったけれど、もっと輝ける世界があるんじゃないかと思って。ホストになる年齢としては遅いのはわかっていたけど、自分の力を試してみたくてさ」とか。相手のコンプレックスについて知りたければ、「僕は、目がコンプレックスなんだよね。子犬みたいで女々しいから、ドーベルマンのような雄々しくて鋭い目になりたい。毎日、鏡で練習しているんだよ」とか。こうしたプライベートな内容を先に話してくれたという事実そのものが、お客様に信頼感を芽生えさせるのです。

 また、「お客様だけに言いますが」とか、「誰にも話したことはないですが」と、特別感を醸し出すフレーズを枕詞に添えることで、相手の気持ちをグッと引き寄せることができます。逆に、「どうしてホストクラブに遊びに来たのですか?」など、知りたい内容を直球で聞いてしまうと、「探りを入れられているのでは」とお客様は警戒心を強めてしまいます。一度、そうなってしまうと、心の鎧を脱がせるのは厳しくなるので、注意してください。