運転手のサングラス着用に“クレーム”は正当か?「カスハラ」に企業が取るべき正しい姿勢「都営バスでは、直射日光及び反射光による眩しさを軽減し、安全運転を行うため、運転中に保護メガネ(サングラス)を着用している場合があります。お客様のご理解をいただきますようお願い申し上げます」とある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

都営バス内に「奇妙なお願い」
安全運転でサングラス着用は当然では!?

 最近、全国的に鉄道やバスなどの運転手のサングラス着用が進んでいる。ところがそれに対して、「実用的でもイメージが悪い」「いかつくて怖い」「見た目が威圧的だ」といったクレームが来るという。

「客に失礼だから外せ」とバスの運転手にいきなりキレる乗客もいるらしく、そのため広島電鉄のように、一定期間サングラス着用の実証実験をした上で、やっと着用を認めた事業者もある。

 私も先日、たまたま東京で都営バスを利用した際に、車内で奇妙な掲示に気づいた。そこには、「都営バスでは、直射日光及び反射光による眩しさを軽減し、安全運転を行うため、運転中に保護メガネ(サングラス)を着用している場合があります。お客様のご理解をいただきますようお願い申し上げます」とある。

 いったいこれは、わざわざ車内に掲示までして、乗客に「ご理解」を「お願い」しなければならないような事柄なのか?

 たしかに都営バスの掲示は、最近のこうしたクレームを意識したものなのだろう。

 だが、サングラス着用の運転手に文句を言うなどは、立派なカスタマーハラスメントだといってよい。