社会人になってキャリアアップを考えるとき、資格を取りたいと思うことがある。ところが、忙しくて勉強する時間がなかなか取れないし、勉強してもすぐに忘れてしまうといって敬遠しがちではないだろうか。そんなときにお勧めなのが『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』。著者が働きながら3年で9つの資格に独学合格したノウハウだ。紙1枚とペン1本あればできるシンプルな方法にもかかわらず、大量に覚えて絶対忘れない「忘れる前に思い出す」最強の仕組み。資格試験、大学受験、公務員試験、どんな試験も完全攻略。本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、「紙1枚」勉強法とは何かについて紹介していく。(構成:長沼良和)

紙1枚勉強法Photo: Adobe Stock

日常生活を勉強時間に

 一般的に、勉強をするイメージというと、「机に向かって問題集に取り組んでいる姿」ではないだろうか。

 そのため、「仕事が忙しくて机に向かう時間がないから勉強できない」という言い訳が成り立ってしまう。

大多数の方は「勉強は机にかじりついてやるもの」とイメージし、そして、それをする時間がないと嘆いています。(P.94)

 ところが、本書では「勉強は机でやるイメージを消去しよう」と紹介されている。

 大事なのは、「日常生活を勉強時間に置き換える」意識をすることだ。

 この発想があれば、忙しい社会人でも机に向かう時間を捻出しなくても勉強ができる。

「ながら学習」のすすめ

 勉強法について紹介している書籍の中には、「スキマ時間を活用しよう」と書かれているものが多い。

 電車を待つ時間や出勤中の電車の中、昼休み、休憩時間などを見つけて細かく活用していく、ということだ。

 しかし、スキマ時間をかき集めても、1日1時間程度しか確保できない。これでは試験に合格できないだろう。

 では、どうしたらいいか。

 日常で何かをしながら勉強する「ながら学習」を取り入れよう。

 歩き「ながら」、洗濯物を畳み「ながら」、歯を磨き「ながら」、食事をし「ながら」勉強する。

 日常生活と同時並行して勉強するのである。

 会社で仕事をしている以外の時間を勉強に充てることで、大量の勉強時間を確保できる。

 しかも、わざわざ机に向かう時間を確保しなくても良いので取り組みやすい。

 著者はこれらの時間を「ながら学習」に活用しているそうだ。

・朝食を作る時間
・朝食を食べる時間
・支度をしている時間
・駅まで歩く時間
・電車に乗る時間
・ランチを食べる時間
・帰宅時間
・夕食を作る時間
・夕食を食べる時間
・洗い物をしている時間
・洗濯物をたたむ時間
・お風呂に入る時間(P.96-97)

 移動時間や単純作業の時間をフル活用して「ながら学習」すると、2~3時間は確保できる。

問題集を「聞く」勉強法

 とはいえ、「別のことをしながら勉強なんてできない」と思うかもしれない。

 そこで登場するのが「耳学」である。

耳学とは、問題集を音声で耳から聞いて学習するやり方です。(P.98)

 問題集を音声にした教材はないので、自分で読んでスマートフォンやICレコーダーに録音する。その音声を何度も聞く。

 自分の声を聞くことになるので、最初のうちは違和感があるかもしれないが、すぐに慣れる。

 録音する際には、問題文、選択肢、答え、解説という順番で読み上げる。このとき少し早口で話すと、繰り返し聞きやすくなる。

耳学は1回で聞いて覚えるのではなく、繰り返し聞き、頭に知識を定着させる学習法なので、できるだけ数多く聞く必要があります。よって、ゆっくり丁寧に読むのではなく、気持ち早口で読んだほうが繰り返し聞くことができます。(P.99)

「ながら学習」はBluetoothイヤホンで快適に

 耳学による「ながら学習」は、日常生活を送りながら音声で聞くので、Bluetoothイヤホンを使うのがお勧め。

 有線のイヤホンだと掃除・洗濯・料理などをしているときに思わぬアクシデントになりかねない。着けたり外したりするのも面倒だ。

 その点、Bluetoothイヤホンならワイヤレスで装着感もほとんどないため、日常生活に支障なく「ながら学習」ができる。

Bluetoothイヤホンであれば、つけていても作業に支障はないのでストレスなく「ながら学習」ができます。(P.100)

大量記憶法で計画的な「ながら学習」を実現

 これまでの「ながら学習」は、空いた時間があればイヤホンで聞くことが推奨されていた。

 ところが、これでは勉強ができる時間が日によって変わってしまう。そのため計画的に勉強が進められないというデメリットがあった。

 その点、本書の大量記憶法を「ながら学習」に組み合わせて勉強を進めることで、計画的に学べるようになる。

【忙しい社会人でも資格取得!!】最強時短メソッド「ながら学習」なら最効率で学習できる
私の推奨する「ながら学習+大量記憶法」は、その日に進める予定のユニットを「ながら学習」で進めることで、計画性が生まれます。(P.103)

 ぜひ、計画的に「ながら学習」に取り組んで試験に合格してほしい。