サプライチェーン(供給網)の混乱が収束し、15年ぶりの高金利が需要にブレーキをかける中、高止まりしていたインフレがようやく緩和されつつある。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)当局者は今、労働市場の逼迫(ひっぱく)で物価上昇が再び加速する可能性があるとの懸念を口にしている。問題は、インフレを予想する適切な方法はどれかだ。新型コロナウイルス流行に起因する特異性に重点を置き、物価と賃金に関する最近の測定値を分析するボトムアップ型の分析か、それとも経済が通常の能力をどの程度上回っているか、または下回っているかを分析する従来のトップダウン型の分析か。FRB当局者の一部(有力スタッフも含む)は後者を重視しており、その場合、引き締め政策を継続するかどうかが議論になってくる。一方、前者を重視するその他の人たちにとっては、より緩和的なアプローチを取るかどうかが焦点になる。