昨年、経営破綻した暗号資産(仮想通貨)貸付業者の米セルシウス・ネットワークは、一部のインサイダー(内部者)が自前のトークン「CEL」を売却して利益を上げる中、顧客資金で約束した高利回りを支払い、CELを買い支えていた。裁判所が任命した調査官の31日付の報告書で明らかになった。それによると、セルシウスは投資で十分な利回りを生み出せず、顧客のイーサリアムやビットコインを売却して得た資金でCELを買い戻していた。CELの価格が上昇したため、インサイダーはセルシウスが破綻する前に売り抜け、多額の利益を得た。セルシウスを創業したアレックス・マシンスキー、ダニエル・レオン両氏は保有していたCELの大半を売却。2018年から破産法の適用を申請した22年7月までに、マシンスキー氏は少なくとも6870万ドル(足元のレートで約90億円)、レオン氏は少なくとも970万ドルを手にしていた。