近年、若年層を中心に急成長している美容脱毛市場。脱毛サロンでの施術は、リーズナブルさや気軽さが人気を集め、若者のニーズを獲得している。しかし、利用者が増える一方で、トラブルも増えている脱毛サロンの課題について、専門家に話を聞いた。(清談社 真島加代)
脱毛サロンにおける
契約トラブルが増加
「美容脱毛」と聞くと、中高年は女性利用者をイメージするかもしれないが、数年前から10代~20代男性のあいだでも脱毛志向が高まっている。医療脱毛を専門で行う「リゼクリニック」の調査(*)によると、現役高校生の58.5%(男性:43.0%/女性74.0%)が“脱毛”に関心を寄せているという。
年齢や性別に関係なく、多くの人が美容脱毛を利用しているなか、脱毛サロンでのトラブルも増えているという。
「かつては『施術で肌にやけどを負った』『痛みを感じた』などの施術トラブルもありました。しかし、現在は脱毛マシンの性能が上がり、安全性も高く、なにかあってもサロン側が医療費を負担するなど真摯(しんし)に対応するので、そうした事例は減っています。今、問題視されているのは、脱毛サロンにおける契約トラブルなんです」
そう話すのは、一般社団法人日本脱毛安全普及協会代表理事で弁護士の山岸純氏。ちなみに、美容脱毛にはクリニックが提供する医療脱毛と、脱毛サロンによる非医療脱毛の2種類があるが、両者には費用面や施術内容などで大きな違いがあるという。
実際、2021年度に「国民生活センター」に寄せられた脱毛サロンのトラブル件数は1年間で4106件に達し、同センターも利用者への注意喚起を行っている状況だ。
(*)…「令和の現役高校生・男女200名に聞く!「美容」に関する意識調査」/調査期間:2022年1月7日~1月31日/現在高校に通う15~18歳の男女200名/調査機関:株式会社テスティー