2022年の米中間選挙の数日前、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ポーランドにミサイルを撃ち込んだとしてロシアを非難した。それは途方もない意味合いを持つ主張だった。北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるポーランドは、NATOの相互防衛協定の恩恵を受けている。この協定では、加盟するいずれの1カ国に対する攻撃でも、すべての加盟国に対する攻撃と見なされる。ロシアの攻撃がポーランド国内に波及すれば、米国は軍事的対応の義務を負うことになるだろう。ゼレンスキー氏はロシアを非難することで、世界初の核保有国同士の戦争を引き起こす可能性のあるドミノを倒そうとしたのだ。ポーランドに着弾したロケットは、ウラジーミル・プーチン大統領率いるロシアが撃ち込んだものではなく、ウクライナの防空システムから発射されたことが判明した。NATOがこうした分析を行い、このロケットがロシアによって発射されたものではないことを認めた後も、ゼレンスキー氏はウクライナの責任を否定し続けた。この話はニュースの見出しから消え、ゼレンスキー氏は12月のワシントン訪問で大歓迎を受けた。米国民が納めた税金がウクライナに流れ続けている。もっと賢明な外交政策が行われていれば、そのような事態が見過ごされることはなかっただろう。