――日本企業にとって、アフリカはビジネスにおいて無視できる場所ではない。今後のリスクに対してどう備えるべきか。

 まず、アフリカをひとつのものとして一般化できないことを、心得ておく必要がある。国によって実情はまったく異なり、刻々と最新のニュースに目を向けておかなければならない。南アフリカやボツワナ、モザンビーク、タンザニアなどは安定しているが、ナイジェリア、コンゴ、エチオピアの事情は悪化している。その中間がケニアやジンバブエだろうが、二国とも間もなく決定的な総選挙を迎える。

 企業が独自で情報収集をすることも重要だろう。また、政治的テンションの高まっている西アフリカ地域では、アメリカ大使館が主宰してそこに進出しているアメリカ企業を集め、定期的に情報交換を行うといった手段をとっている。それぞれ知っている情報を持ち寄って、協力し合うのだ。ただ、情報は何を知っているかよりも、それが何を意味するのかを解釈する方が難しい。たとえば、砂漠を一群の人々が移動しているという情報があったとしても、それがどんな意味を持つのか。何でもないこともあれば、典型的な移住パターンであるかもしれないし、あるいは何らかの犯罪活動の一端かもしれないのだ。

――アラブの春でイスラム圏には希望が生まれたように見えたが、実情はそれほど単純ではなかった。

 アラブの春はチュニジアでは成功したものの、リビアやエジプトの現状を見ると、それほど希望が感じられるものではない。リビアからは大量の武器が国際市場に出回り、しかも価格が下がったため、さまざまなテロ組織の手に渡った。アラブの春には情緒的に反応したり、非現実的な期待をかけたりしてはならないということだ。