インドの複合企業アダニ・グループはここ数年で負債を増やした。それを主に支えてきたグローバル投資家は、アダニが空売りで知られる米ヒンデンブルグ・リサーチに不正疑惑を指摘された後は、同社債を敬遠するようになった。アダニはドル建て債の償還期限が近づく中、問題を回避するには市場の信頼回復か、新たなプライベートファンディングを見つけることが不可欠だ。グループの旗艦企業アダニ・エンタープライゼズが現地時間1月31日に公募増資に十分な応募が集まったと発表したことを受けて、グループ企業のアダニ・ポーツやアダニ・グリーンのドル債(2024年満期)は一時値上がりした。だがその後は売り込まれ、翌2月1日も下落し続けた。アダニ・エンタープラゼズは1日夜、増資を撤回し、資金を投資家に返還すると表明した。同社株は今や新株発行価格の半分程度に沈んでいる。