【ノースダコタ州グランドフォークス】米ミネソタ州に近いこの都市の郊外に、ある中国企業が7億ドル(約930億円)をかけてトウモロコシ製粉所の建設を計画している。地元市長も雇用創出や税収拡大、農家の商機拡大が見込めるとして、約2年にわたり計画を支持してきた。
ところが、同市のブランドン・ボチェンスキ市長は先週、急きょ方針を転換した。建設予定地からわずか約19キロのところにグランドフォークス米空軍基地があり、国家安全保障上のリスクだとする米空軍当局者の書簡が公表されたことが引き金だ。
ボチェンスキ市長は「国家安全保障に関わるとなれば、経済は重要ではなくなる」と話す。元プロホッケー選手としてロシアで活躍していた経歴を持つ同氏は2020年、市長に当選した。「そこは厳格に線引きする必要がある」