保険は“自分のお金ではまかなえないこと”に
使うためのもの
保険の最も大切な役割は「少額のお金(保険料)で何かあった時に多額のお金(保険金)を得られる」ことだ。
一人ひとりが出すお金は少額でも、それらがまとまると大きな金額になる。そのお金を使って病気や事故などの不幸な目に遭ってしまった人に対して支払われるのが保険であり、何もなかった人には当然支払われることがない。これが保険の仕組みであり、「保障」が最も大切な役割なのだ。
したがって、保険の目的は何かあった時のための安心感であり、「損得の概念」で考えるべきではない。自分では対応できない巨額の経済損失に対応するためであり、自分で対応できるのなら、別に保険に入る必要はないし、何事もなければ「損」だと考えるのではなく、「保障」という安心を買ったと考えるべきなのである。
もし損得を言うのなら、できるだけ安い保険料で多くの保障が得られるものを選ぶことぐらいである。なぜなら、保険商品というのはあくまでも金融商品であるから、できるだけ安い料金でできるだけ大きな安心感を買えるのが良い保険商品だからだ。つまり、保険の本質は「掛け捨て」にある。
ところが、一般的には掛け捨て保険がもったいないと感じて保障と貯蓄が合体した保険や積み立て型の保険に入っている人が多いようである。
そもそも掛け捨て保険は名前が良くない。「掛け金を“捨てる”」という語感があり、何だか損をするようなイメージにとられる。しかしながら、本当にそうなのだろうか。少し考えてみると掛け捨てではなく、貯蓄機能を持った保険というのはあまり得だとは言えないことがわかってくる。