コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2022年10〜12月度のアパレル編だ。
ユニクロ、しまむら、ワールド、洋服の青山
「コロナ前後」の増収率比較で明暗くっきり
アパレルの主要4社が発表した22年10〜12月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯ユニクロ(ファーストリテイリング)の国内既存店
10月度:前年同月比112.8%(12.8%増)
11月度:同96.2%(3.8%減)
12月度:同116.9%(16.9%増)
◯しまむらの既存店売上高
10月度:前年同月比120.8%(20.8%増)
11月度:同101.7%(1.7%増)
12月度:同103.9%(3.9%増)
◯ワールドの国内小売事業売上高
10月度:前年同月比131.8%(31.8%増)
11月度:同117.6%(17.6%増)
12月度:同128.7%(28.7%増)
◯洋服の青山(青山商事)のビジネスウェア事業既存店売上高
10月度:前年同月比114.7%(14.7%増)
11月度:同96.2%(3.8%減)
12月度:同100.5%(0.5%増)
12月の業績に注目すると、4社全てが前年実績を超えた。中でも数値が一番高いのはワールド(128.7%)で、一番数値が低い洋服の青山(100.5%)との差は28.2ポイントもある。
一見すると、“アパレル業界は総じて好調で、中でもワールドが勝ち組”という印象を持つかもしれない。しかし、コロナ前の業績と比較した「実態値」を見ると印象はガラリと変わる。
実は、ワールドは勝ち組ではない。それ以上に好調な企業があるのだ。同時に時系列で数値を分析すると、月次の数値だけでは読み取りづらい「負け組」企業も見えてきた。
早速、実態を確認していこう。