東北新幹線E2系やまびこ号Photo:PIXTA

新型コロナウイルス禍に円安、資源・原材料の高騰、半導体不足など、日本企業にいくつもの試練が今もなお襲いかかっている。その中で企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はJR東海、JR東日本、JR西日本の「鉄道」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

JR3社は前年同期比で増収
コロナ禍からの回復はいかに

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の鉄道(JR)業界3社。対象期間は2022年8~12月期の四半期(3社の対象期間はいずれも22年10~12月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・JR東海
 増収率:28.6%(四半期の売上高3850億円)
・JR東日本
 増収率:1.2%(四半期の売上高6120億円)
・JR西日本
 増収率:22.2%(四半期の売上高3581億円)

 JR東海とJR西日本が20%超えの増収を記録したが、JR東日本は前年同期と比べ増収率が1.2%にとどまった。かろうじて増収という他の2社と比べると低調な結果だった。

 鉄道業界は、新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限の影響を受けて、大きな打撃を受けてきた。ただ、行動制限の緩和により鉄道需要も戻ってきて、各社の業績は回復基調だ。しかし、JR東日本だけが見劣りする結果になったのは一体なぜなのか。

 次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、コロナ前との比較を解説する。