スマートフォンのハイエンドモデルが、10万円以上は当たり前、中には20万円に迫る新機種まで出てくるようになっている。しかし、そういった高いスマホはもうあまり売れない。今後は4万~7万円という価格帯がスマホの主戦場になるだろう。それが「必然」といえる理由をお伝えする。(ビジネス書作家 戸田 覚)
スマホの出荷台数が2桁減
コモディティー化が鮮明
米調査会社のIDCは1月25日に2022年第4四半期のスマートフォン市場調査を発表した。すでに報道されているのでご覧になった人も多いと思うが、総出荷台数は対前年同期比で18.3%も減少しているという。
しかも、22年通年でも対前年比で11.3%の減少となっている。13年以来の最低のデータで、この要因は消費者需要の大幅な落ち込み、インフレ、経済の不確実性の影響だと指摘している。
今回はこの点を深掘りしてみたいと思う。そもそも僕は、スマホの売れ行きが鈍化することは、20年9月に公開したYouTubeの動画で指摘していた。世界経済などとは関係なく、コモディティー化(差別化できない一般的な製品・サービスになること)が進むのがその理由だ。
スマホの性能は、基本的にはチップのパフォーマンスにかかっている。2~3年前までは少しでも快適な上位モデルを買うのがおすすめだった。ところが、最近は最上位のチップではなくても十分なパフォーマンスを得られる。