あおり運転訴訟で逆転無罪、工具で頭部骨折させた男性が「正当防衛」となったワケ大阪地裁(白熊 / PIXTA)
*本記事は弁護士ドットコムニュースからの転載です。

 2019年10月、大阪府富田林市の国道上で、あおり運転をしてきた男性運転手を工具で殴り、頭部骨折のケガをさせたなどとして傷害罪に問われた男性の裁判で、大阪高裁は、罰金30万円とした一審・大阪地裁堺支部判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。判決は今年2月7日。

 時事通信(2月8日)などによると、大阪高裁は、男性の「正当防衛」を認めたという。人にケガを負わせてしまった場合でも無罪と判断される「正当防衛」とは、どのような場合に成立するのだろうか。

顔面を殴られたため「工具」で複数回殴ったという

 複数の報道によると、男性は、運転手からあおり運転を受けて、停車後にはスマホで撮影されるなどした。男性が注意したところ、顔面をいきなり殴られたため、持っていた工具(モンキーレンチ)で運転手を複数回殴ってケガを負わせたという。

 運転手への反撃であり、正当防衛が成立するという男性の主張を認め、大阪高裁は無罪とした。