東名高速道路であおり運転をされたワゴン車の夫婦が死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた石橋和歩被告(30)の差し戻し裁判員裁判の判決が6日、横浜地裁で言い渡される。この公判を巡っては、差し戻し前の一審横浜地裁の手続きに違法な点があったとして2019年12月、東京高裁が審理を差し戻していた。(事件ジャーナリスト 戸田一法)
違法な訴訟手続きにより
審理がやり直しに
起訴状によると、石橋被告は17年6月5日、中井パーキングエリア(神奈川県中井町)で、萩山嘉久さん(45)に駐車方法を注意され逆上。萩山さん一家4人が乗るワゴン車にあおり運転を繰り返して同県大井町の東名高速上で停車させ、大型トラックによる追突で萩山さんと妻の友香さん(同39)を死亡させ、姉妹2人も負傷させた。
差し戻し前の横浜地裁は18年12月14日、石橋被告の一貫した意思に基づく4回の進路妨害と停車後の暴行を重視してトラックによる追突に因果関係があると認定し、懲役18年(求刑懲役23年)を言い渡した。
石橋被告の弁護側は「因果関係を広く取り、危険運転致死傷罪の成立を認めた判決に納得がいかない」などとして控訴。東京高裁は19年12月6日、同罪の成立を認めた上で、手続きに「違法な点」があったとして一審判決を破棄し、横浜地裁に審理を差し戻していた。