中国の習近平国家主席は側近を中国人民銀行(中央銀行)幹部に据え、金融への政治的関与を強める考えだ。事情を知る複数の関係者が明らかにした。関係者によると、人民銀の次期総裁には、国有複合企業の中国中信集団(CITIC)で会長を務める朱鶴新氏が最有力視されている。ただ、中国政府の重要ポストの人事は3月上旬の全国人民代表大会(全人代)で正式決定するため、確定しているわけではないと関係者は話している。易綱・現総裁は米国で教育を受けたエコノミスト。朱氏は総裁に就任する場合でも、人民銀内で最も権力のある共産党書記のポストには就かない見通し。人民銀内の共産党トップの地位には、何立峰氏が就任する公算が大きいという。習氏を長年支えてきた何氏は、経済・金融・産業担当の副首相に就くとみられている。