職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。
気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか?
この連載では、「顧客ロイヤルティ(お客さまとの信頼関係づくり)」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきた『気づかいの壁』の著者、川原礼子さんが、「気がつくだけの人」で終わらず、「気がきく人」に変われる、とっておきのコツをご紹介します。

みるみる雑談がうまくなる。たった1つの習慣とは?Photo: Adobe Stock

雑談スキルを磨くコツ

 雑談は、気づかいが表れるポイントです。
 仕事ができる人は、ビジネスライクに要件だけを満たしてサッと帰る性格かもしれませんが、そこに雑談する気づかいが加わると、さらに完璧です

 特に、オンライン会議では、共有画面が映らなかったり、接続が乱れたり、相手が揃うまでの時間があったりして、「雑談で埋めたい魔の沈黙タイム」が生まれやすいです。

 そんなとき、「気の利いた話をしはじめてくれた人がいて助かった」という経験はないでしょうか。
「雑談スキル」は、相手の関心とリンクしていることが大事です。

 そのためには、相手の情報を手に入れておくことです。
 次のようなことは、会う前に事前にサラッと見ておくといいでしょう。

● 相手のホームページ
● 大手や有名企業なら、出している広告
● ツイッターなどのSNS(企業・個人)
● 個人の名前を検索(顔写真・Web記事・セミナー記録)

ただし「知ってるアピール」はしないこと

 話題をたくさん用意していても、「私はこんなにもあなたのことを知っていますよ」と畳みかけないように注意です
 相手と自分に関連しそうなネタを用意しておいて、1つか2つ、お話しができれば十分でしょう。

 ちなみに、私の場合は教育研修が本業なので、初めての顔合わせの前には、その会社の採用ページや採用広告を見るようにしています
 組織風土や求める人材像が書かれているので、絶好の前情報になるのです。

「御社のツイッターを拝見したんですが、アメリカにも支店を出されるんですね」
「春にZ世代向けの新商品をリリースされるんですね。ホームページを拝見しました!」

 など、2つくらいの雑談からはじめるようにしています

 ぜひ、その余裕を持って臨みましょう。

川原礼子(かわはら・れいこ)
株式会社シーストーリーズ 代表取締役。
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー。
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)が初の著書となる。