2021年4月に島根銀行に設置された企業支援室が、企業や同行の組織活性化の原動力となっている。信用金庫から幹部を招聘(しょうへい)して企業支援体制をてこ入れしたことで、地域基盤を確実に強化している。その具体的な企業支援策と、顧客にもたらした付加価値に迫る。(共同通信編集委員 橋本卓典)
島根銀行の企業支援室がパワーアップ!
企業の経営改善に成功し、銀行業績にも貢献
2021年4月に島根銀行に設置された企業支援室が、顧客企業や同行の組織活性化の原動力となっている。
顧客のさまざまな課題を解決することで顧客の経営を改善させているのはもちろん、その取り組みが評判を呼び、新たな取引を創出。不良債権処理が減り、融資の焦げ付きに備えて計上する貸倒引当金の戻し入れが出始めていることもあって、島根銀行自身の業績にも貢献しだした。また、営業店との協力関係も築いており、行内全体が活性化している。
では実際、企業支援室は顧客と島根銀行に対し、どのような付加価値を与えているのか。本連載では今回と次回の2回にわたり、現場の最前線の声を拾ってその本質を追った。
次ページではまず、企業支援室が顧客に与えた“化学反応”に迫る。