砂時計と紙幣「ゼロゼロ融資」の利息返済が本格化するまで、半年を切った。にもかかわらず、中小企業の経営環境が急速に悪化している(写真はイメージです) Photo:123RF

新型コロナウイルス禍で国が打ち出した実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の利息返済が、来年5月以降に本格化する。しかし足元では、コロナ禍に加えて資源高や原材料高に見舞われ、中小企業の経営環境は急速に悪化している。窮地に陥る中小企業のリアルと、その中で一掃すべき“本当の”ゾンビ企業の実態に迫る。(共同通信編集委員 橋本卓典)

円安やコロナ禍でピンチの中小企業は
全て「ゾンビ企業」なのか?

 新型コロナウイルス禍の中小企業支援策として国が打ち出した実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)で、最大3年間据え置かれた利息分の返済が2023年5月以降、本格化する。

 ところがここに来て、ロシアのウクライナ侵攻や円安に伴う資源高、原材料高により、中小企業を取り巻く経営環境は急速に悪化している。これまで延滞してきた社会保険料、消費税などの支払い圧力が強まっている企業もあるという。

 中小企業を巡っては、「コロナ前から問題を抱えていたゾンビ企業」の存続可否が議題に挙がることが多い。しかし実際には、企業はそれぞれ複雑な事情を抱えており、問題のある中小企業を十把ひとからげにゾンビ企業と表現するのはおかしい。

 次ページでは、コロナ禍で窮地に陥る中小企業のリアルと、一掃すべき“本当の”ゾンビ企業の実態に迫る。