島根銀行の法人営業が、ライバル金融機関に「脅威」と恐れられるようになっている。営業の“底上げ”をけん引しているのは、21年に本格稼働した企業支援室だ。実は島根銀行は、信用金庫から幹部を招聘してまで企業支援の在り方を変えた。その大変革の中身と、銀行が企業経営を改善させるための二つの極意を明かす。(共同通信編集委員 橋本卓典)
島根銀行の法人営業が
企業支援室を中心に大変革大激変のなぜ
「最近、見違えるように法人営業の動きが変わった。何を仕掛けてくるのか読めず、脅威的な存在になっている」。島根県の信用金庫幹部がそう語るのが、島根銀行だ。
かつては、2017年に営業を開始した新本店ビルの総工費が約58億円に上り、「収益力に見合っているのか」と、金融庁からガバナンス体制について苦言を呈されたこともあった。しかし、19年にSBIホールディングスと資本業務提携を締結して以降、着実に変革が進んでいる。
その起爆剤となっているのが、冒頭の法人営業だ。変革をけん引しているのは、21年4月に本格稼働した企業支援室だ(設立は20年12月)。企業支援室はいったい、何をどうてこ入れして島根銀行を“底上げ”しているのか。
次ページではその真相に迫る。