国が、新型コロナウイルス禍で打ち出した実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の借り換え保証制度を整備しようと動いている。中小企業の借り入れの返済負担を軽減するためだ。しかし、この制度の導入を機に、金融機関はある「困難」に直面しようとしている。それにつけ込む形で「悪徳コンサル横行」の懸念も高まっており、新たな中小企業問題が浮上しそうだ。(共同通信編集委員 橋本卓典)
ゼロゼロ融資の借り換え保証制度に
金融機関がぴりつく理由
新型コロナウイルス禍に中小企業の資金繰り支援策として実施された実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)。その返済負担を軽減するため、国が借り換え保証の整備に動いている。
保証限度額は1億円。保証期間は最大10年、元本の据え置き期間は5年以内とし、保証料も低く抑える構え。一方、保証実行の条件として、「経営行動計画書」の作成を求める方針だ。
経営行動計画書の作成を課そうとしているのは、借り換え保証を単なる返済の先送りではなく、中小企業の収益力改善を促す制度にするためだ。
しかし、金融機関や信用保証協会が、この計画書の作成に対し神経をとがらせている。なぜか。
次ページでは、ゼロゼロ融資の借り換え保証において金融機関が直面する「困難」と、それに伴い懸念が高まる「悪徳コンサル横行」の現実を明かす。