アルツハイマー病の原因物質や治療法に関する有力な説をめぐり、エーザイの新たな認知症治療薬の成功が、数十年来の論争を沈静化するのに一役買っている。この説の提唱者は勝利を宣言し、かつての懐疑論者の一部は意見を変えている。  多くの科学者は1990年代初め以降、アルツハイマー病患者の脳内に沈着した「アミロイドβ」と呼ばれるタンパク質の塊を除去すれば、病気の進行を止めたり反転させたりはできないとしても進行を遅らせる可能性がある、と考えてきた。