海外旅行ガイドブックの決定版『地球の歩き方』から、今回紹介する記事は「“野生のホッキョクグマ”が見られる旅行先」です。ホッキョクグマは気候変動の影響を受け、絶滅の危機にある北極の王者です。南極のペンギンのようなコロニーをもたず、氷上や海上で生活しているため、遭遇するのは難しいですが、観光旅行でも目撃できる可能性がある場所がいくつかあります。ホッキョクグマの生態とどこに行けば観察できるかをご紹介します。(文・写真/小山田浩明 監修/地球の歩き方)
ホッキョクグマはどこにいる?
北欧およびロシア、カナダの北極圏エリアとカナダのハドソン湾に生息しています。氷上で狩りを行いますので、海と氷が接するエリアの氷の上で生活しています。子育ては陸上に雪洞を堀りそこで3月から4月にかけて出産し、母親が2~3年に渡り子供の世話を行います。夏は南のエリアの氷が溶けてしまうので、氷が残る北部で生活します。
ホッキョクグマは常に移動しているので、遭遇のチャンスは乏しいですが、カナダのチャーチルでは10月から11月にかけ、町の近くを移動するホッキョクグマの姿を見ることができます。近年ロシアのいくつかの村にエサを求めて定期的に姿を現しており問題になっていますが、観光旅行で訪問できる場所ではありません。この記事の写真はスヴァールバル諸島で撮影しましたが、メインの島スピッツベルゲン島では、クルーズツアーが催行されており、夏季は高確率でホッキョクグマと出合うことができます。遭遇の可能性がある期間が長いことと、トータルの旅行代金を勘案すると、ロングヤービーエンから出る宿泊タイプのクルーズツアーに乗るのがおすすめです。