銀行持ち株会社SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレー銀行が経営破綻した。投資家とアナリストは銀行業界における危機の連鎖を懸念し、他の金融機関にも厳しい目を光らせている。ベンチャーキャピタル(VC)やVC出資のスタートアップへの融資を手掛けるSVB傘下のシリコンバレー銀行の危機を受け、他の金融機関にも同様の問題が飛び火するとの懸念から、米株式市場では銀行株に連想売りが広がった。SVBが抱える問題の発端は、コロナ禍で流れ込んだ大量のマネーだ。SVBはその資金を元手に米長期債を購入したが、金利上昇に伴い債券価格が下落した。今年に入って予想以上のスピードで顧客が預金を引き揚げ始めると、SVBは保有していた一部の有価証券を売却せざるを得なくなり、損失を計上。これが9日の米株市場でSVB株の急落を招いた。さらに、一部のVC投資家がスタートアップ企業に対してSVBから資金を引き揚げるよう助言しており、取り付け騒ぎへの懸念が高まった。