新NISAの積立の威力は本物!2026年上期、投信流入が「過去最高12.5兆円」へ【投資信託の最前線】

2026年上期の株式相場は、地政学的リスクによる一時的な急落を乗り越え、日本株も米国株も極めて堅調な展開でした。この力強い相場を追い風に、個人の投資熱が異次元の活況を呈しています。投資信託市場への資金流入額は半年間で「過去最高となる12.5兆円」に達し、これまでの歴史的記録を大きく塗り替えました。では、どんな投資信託が売れているのか。今回は、2026年の上半期の投資信託の動向を分析していきます。

米イラン緊迫の逆風を跳ね返し日米株ともに大躍進
1月と6月に投資信託に資金が爆発的に流入へ

 2026年上期(1~6月)の株式相場は、米国とイランの紛争をめぐる懸念などから大きく下落する場面があったものの、総じて極めて堅調な動きとなりました。日経平均は過去最高値の更新を続け、6カ月間で39.2%の上昇となりました。米国株式も、NYダウ指数が8.9%、米S&P500指数が9.6%、米ナスダック総合指数が12.8%と、それぞれ堅調。半年の動きを振り返ると、前半の1~3月は3月の急落でマイナスに転じましたが、後半の4~6月にいずれも2ケタの上昇を記録しました。

 この日米の株式市場の好調を受けて、投資信託市場も活況が続いています。投資信託の資金流入額は、2026年1月に2.8兆円と月間で過去最高となる資金流入を記録。その後の6月にも2.6兆円の過去2番目の流入額となりました。その結果、2026年上期の資金流入額は、半年間としては過去最高となる12.5兆円に達しています。

 以下、個人投資家の動きを反映すると言われる上場投資信託(ETF)を除く追加型株式投信について、半年ごとの残高・資金フローを見ていきましょう。

 投資信託評価を手掛けるモーニングスターのデータによれば、2026年6月末時点の残高は、206.7兆円と、この半年間で32.7兆円の大幅な増加を記録。過去最高残高を更新しています。ただし、この期間の資金流入額が12.5兆円だったことを踏まえると、残高増加に大きく寄与したのは、市場要因であったことが分かります。

2007年の歴史的記録を大幅更新! 
積立投資中心の低コストインデックス2強に3.4兆円が流入

 日本の投資信託の残高の内訳をみると、外国株式型が全体の約60%を占める123.4兆円、次いで国内株式型が13%を占める27.7兆円となっています。3番目に大きいのは、複数の資産を組み合わせるアロケーション型で、全体の11%にあたる23.5兆円となっています。この3つの分類で84%に達しています。個人投資家が株式に投資する手段として投資信託を積極的に活用し、その残高が値上がり・資金流入によって大きく増加していることがうかがえます。

 続いて、過去最高の12.5兆円を記録した上期の資金フローの内訳も見ておきましょう。

 下のグラフの期間では、新NISA開始直後の2024年上期に記録した8.6兆円が最も大きい金額です。しかし、投資信託協会のデータによれば、6カ月毎の資金流入額としては2007年上期の資金流入額8.7兆円が過去最大となっていましたので、これと比べても大幅な記録更新となりました。

 上期に流入した12.5兆円を投資対象のタイプ別に見ると、2026年上期は外国株式型への資金流入が8.6兆円と圧倒的な大きさです。次いで国内株式型が1.6兆円程度となるなど、株式相場の好調を背景に引き続き株式型(外国株式型と国内株式型)に資金流入が集中しています。その次は、アロケーション型の1.2兆円となっています。

 個別の投資信託で見ると、上位2本の低コストのインデックス投信への資金流入額が計3.4兆円程度と圧倒的な大きさとなっています。このあたりは、積立投資の普及なども背景に新NISA以降の一貫したトレンドとなっており、変動の大きい市場環境において強みを発揮していると言えそうです。

※編集部注:全世界株型と米国S&P500連動型の投資信託の2本。

藤原延介さん藤原延介(ふじわら・のぶゆき)●1998年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。マーケティング部 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応大学経済学部卒。
◆投資信託の最前線
20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
ダイヤモンド・ザイ NISA投信グランプリとは
ダイヤモンド・ザイでは1年に1回、「NISAで買える本当にイイ投資信託」を部門別にランキングし、上位のファンドを表彰している。当グランプリの特徴は、みんなが買っている分野で、5年以上の運用実績がある投信に限定し、1.どれだけ上がったか(上昇率)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)の3つの基準で選定している点。完全な実力主義で評価し、「個人投資家にとって本当にイイ投資信託」かという点にこだわっている。

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[2026年]受賞投資信託28本一覧

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本記事は2026年7月11日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。