実店舗に足を運ぶ買い物客が増える中、米小売り各社は商品の窃盗が増加し、すでに圧迫されていた利益をむしばんでいると話す。「昨年以降、間違いなく増えた」。米百貨店大手メーシーズのジェフ・ジェネット最高経営責任者(CEO)は今月、アナリストに語った。「これは業界全体の傾向だ」米小売りチェーン大手ターゲットは昨年11月、万引などによる商品の在庫ロスによって2023年1月通期の粗利益が6億ドル(約803億円)余り減少する見通しだと述べた。米ディスカウント大手TJXやメーシーズも最近のアナリストとの電話会議で、在庫ロス率が上昇していると指摘した。「窃盗の増加ペースは売上高の伸びを上回っている」。バーンスタイン・リサーチの米小売り担当シニアアナリスト、ディーン・ローゼンブラム氏はそう話す。同氏によると、窃盗の問題が大きくなり、利益を圧迫し始めたことで、小売業者がより頻繁にこの問題を語るようになったという。
米国で万引増加、店内ショッピング回復で
商品にロックをかけ、常習犯を追跡するため顔認識ソフトを使う小売業者
有料会員限定
あなたにおすすめ