すべてのロールプレイング・ゲームが最後はハッピーエンド

 すべてのロールプレイング・ゲームに共通するのは、最後がハッピーエンドになることだ。

 魅力的な物語は、みんなが夢中になって聞きたがる。ある程度の年齢になってから、自分の人生の物語を自信をもって語れるようになれば、きっとものすごく幸福だろう。

 誤解のないように強調しておくと、いまつらい思いをしているひとに向かって、「それは幸福へのたんなるステップだ」といいたいわけではない。でもいつか成功を手にしたとき、その体験は人生の「物語」をさらに魅力的なものにしてくれるはずだ。

 自分の人生を魅力的な物語にするためには、どうすればいいだろうか。この問いを出発点に、金融資本、人的資本、社会資本の土台をどのように合理的に設計するかを考えていこう。

橘玲(たちばな・あきら)
作家
2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ヒット。著書に『国家破産はこわくない』(講談社+α文庫)、『幸福の「資本」論 -あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』(ダイヤモンド社刊)、『橘玲の中国私論』の改訂文庫本『言ってはいけない中国の真実』(新潮文庫)など。最新刊は『シンプルで合理的な人生設計』(ダイヤモンド社)。毎週木曜日にメルマガ「世の中の仕組みと人生のデザイン」を配信。