新型コロナウイルス禍に円安、資源・原材料の高騰、半導体不足など、日本企業にいくつもの試練が今もなお襲いかかっている。その中で企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はすかいらーくホールディングス、サイゼリヤなどの「レストラン」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
レストラン業界は5社増収
コスト増で苦況の一方、増益の企業も
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のレストラン業界5社だ。
対象期間は2022年8~12月期の直近四半期(サイゼリヤは22年9~11月期、その他4社は22年10〜12月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・すかいらーくホールディングス
増収率:9.1%(四半期の売上収益818億円)
・サイゼリヤ
増収率:27.0%(四半期の売上高431億円)
・ロイヤルホールディングス
増収率:17.8%(四半期の売上高296億円)
・コロワイド
増収率:12.4%(四半期の売上収益577億円)
・トリドールホールディングス(丸亀製麺など)
増収率:21.4%(四半期の売上収益489億円)
レストラン業界の5社はいずれも前年同期比で増収となった。5社中4社が2桁増収だったが、唯一すかいらーくホールディングスが9.1%増と1桁台の増収率にとどまった。
各社、エネルギーや原材料の価格高騰や円安などの影響を受けていて、利益面は厳しい。ただし、5社中1社だけが営業利益・純利益ともに増益となっている。その会社とはどこか、そして一体なぜか。次ページ以降で詳しく解説する。