飲酒は? 喫煙は? 肥満は? ストレスは?
本当に脳に悪いこと、いいことは何だろう?

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師は『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』で、現代人の願いである健康長寿を脳から実現するノウハウを提案する。認知症にならずに体も長持ちさせるためには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な生活習慣とは?

ペットが飼い主の脳に与える影響とは?Photo: Adobe Stock

猫には何か特別な魅力があるかも

 最近は犬や猫などのペットを飼っている人が多いですね。核家族化が進んだこともペットを育てている人が多い理由のひとつかもしれません。「両親とは別に暮らしている人が、実家に帰ったときに、親が間違って自分をペットの名前で呼んだ」という笑い話はよく聞きます。猫や犬の本は大人気ですし、テレビでもゴールデンタイムや深夜の癒し時間に動物番組がいくつも放送されています。

 特に最近の猫人気はすごいですね。猫の何が人を惹きつけるのかはわかりませんが、猫には何か特別な魅力(魔力?)があるのかもしれません。

馬とイルカを使ったセラピーについての論文

 これが時代のトレンドにすぎないのか、もう少し普遍的に人口が高齢化したときにペットに何らかの役割があるのかははっきりわかりませんが、馬とイルカを使ったセラピーについての論文はいくつかあります。

 慢性の関節リウマチとか、多発性硬化症、再生不良性の貧血などは慢性の経過をたどる自己免疫疾患ですが、馬と触れ合うことによってよくなる事例が医学的にもあります。イルカは一緒に泳ぐとぜんそくが治るとも言われています。

 動物のアレルギーがあるとか、そもそも動物が好きじゃない人にはおすすめしませんが、家族が少なくて寂しい、動物に愛情を注ぎたいという人にとっては、感情が安定する、生活リズムが整うなどの効果がありそうだと思います。

本原稿は、白澤卓二著『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』からの抜粋です。この本では、科学的に脳を若返らせ、寿命を延ばすことを目指す方法を紹介しています。(次回へ続く)