石井亮次アナウンサーが大人気だ。この春から、長寿番組『世界ふしぎ発見!』(TBS系 土曜午後9時)の草野仁アナウンサーの後任司会者に大抜擢されたり、『ノックは無用!』『ノンストップゲーム』など伝説の番組も生み出した関テレ土曜昼枠の新番組『LIVEコネクト!』のレギュラー司会者に決まったり‥‥。地方ローカルだった『ゴゴスマ』(TBS系)を全国区の人気番組に躍進させたばかりか、全国からも依頼が殺到するのはなぜなのか? 石井亮次アナウンサーが自らのコミュニケーション術や話し方を余すことなく書いた著書「ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方」から抜粋して紹介する。

自分だけがわかっていないカッコ悪い人の共通点Photo: Adobe Stock

自分を大きく見せようとするのはカッコ悪い

 自己紹介や最初のアプローチでの会話でもうひとつ知っておきたいことがあります。それは「自分を大きく見せようとするのはとてもカッコ悪い」し、結果的に損をするということです。これは、ついやってしまいがちなので「アカンアカン。カッコ悪い、カッコ悪い」と念仏みたいに唱えて戒めるくらいがちょうどいいかもしれません。

「大きく見せる」というのには、いくつかのパターンがあります。

 その一つに、関西弁ではこういう時に「イキる」という言葉があるのですが、標準語だとどう言えばいいのか。「かっこつける」が近いイメージかもしれません。言葉でも態度やしぐさでも、何かにつけ「かっこつける」人っていますよね。端々(はしばし)に自慢が見えたり、「よく見られたい感」が垣間見えたり……。本人はカッコイイつもりかもしれませんが、傍から見ているとカッコ悪い。まずは、ここに注意です

 他には「私は何でも知っている」星人みたいなパターン。誰のどんな話題にも「ああ、それはね……」と知ったかぶりで口をはさんでくる。いや、本当に知っているのかもしれませんが、それでもあまりいい感じはしないでしょう。僕も仕事柄、どうしても「耳年増(みみどしま)」になりがちなので、気をつけないといけないと思っています。

「自慢」というのも「大きく見せる」の最たるものです。最初から自慢ばかりの人に好感を持つ人は皆無でしょう。(それでも、ちょっと自慢したい時もありますよね。その方法はp232を見てくださいね)。

「謙虚」な気持ちで人と接するとふんわりした空気が生まれる

 細かい注意が続いたので、「そんなにあれこれ注意しながら話しかけるのもしんどいな」と思わせてしまったかもしれません。最初のアプローチは果敢にチャレンジしてほしいのに、そうだったら、ごめんなさい。いちいち考えてしゃべるのって面倒くさいですよね。会話にはある程度の反射神経というか、スピード感も必要です。

 そこで、「奥の手」登場です。自分を大きく見せるようなカッコ悪い失敗に陥らないための方法があるのです。それが、「いつも心にエクスキューズ・ミー」です。つまり、「すんません」(標準語だと「すみません」ですね)という気持ちをいつでも心の中に置いておく。(実際に言葉として発するのはダメですよ!)

「すんません、平凡な人間ですけど……」
「すんません、私なんか大したことも知らないんですけど……」
「すんません、全然たいした経歴でもないんですけど……」

 という謙虚な気持ちで言葉を発すれば、自然と「大きく見せる」ような発言にはなりません。そこはかとなく、奥ゆかしいムードが漂って、ふんわりとやさしい空気が生まれるはずです。

 *本記事は、「ゴゴスマ石井の なぜか得する話し方」から抜粋・編集したものです。