午後のワイドショー「ゴゴスマ」(TBS系)を、東海ローカルから全国の人気番組へと躍進させた立役者である同番組MCでフリーアナウンサーの石井亮次氏が「話し方の極意」を初めて明かした『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方』が話題です。
上手にしゃべることではなく、相手を楽しませて、場の空気をよくすることを目標にかかげ「他人(ひと)はいじるな、自分をいじれ」「会話は合気道」「究極のほめテク」など、サービス精神にあふれる独特の会話術を披露。話し方で損をしているすべての人の救世主ともいえる本書から抜粋し、具体的な話し方のテクを紹介します。
会話の真髄は、サービス精神にあり
「合気道」という武道をご存じでしょうか。名前だけは知っていても、具体的にどんなことをするものなのかまでは知らないという方も多いでしょう。公益財団法人合気会のホームページから合気道についての説明を一部抜粋(編集)しました。
合気道は、相手といたずらに強弱を競いません。
合気道は他人と優劣を競うことをしない。
合気道とは、入身と転換の体捌(さば)きと呼吸力から生まれる技である。
相手と強弱を競わず、優劣を争わない。「気(呼吸)を合わせる」と書いて合気道。そして「型」をつくって、美しく舞う……。これって、まさに会話のテクニックに通じると思いませんか。
会話は戦いじゃないから、相手を負かすものではない。会話は相手の気持ちを考えて、相手を喜ばせて一緒に楽しい空気をつくるもの。だから、基本のノウハウ(型)はあるけれど、パターンの組み合わせは臨機応変に相手に合わせていかなければならない。そう聞くと難しそうに聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。相手を喜ばせたいというサービス精神がベースにあれば、自然と臨機応変の対応ができてしまいます。
相手が求めているものを見極める
会話におけるサービス精神でいちばん大切なのは、相手が何を求めているかを見極めることです。自分との会話を通じて、相手はどんなことを得たいのか。今日のお土産としてどんな気持ち・空気を持って帰りたいのか。
それが「楽しさ」ならアホなことでも言って笑いと楽しさをサービスすればいいし、「嬉しさ」が求められているなら相手が嬉しくなるような言葉を用意しましょう。
相手に嬉しい気持ちになってもらうためには、相手が大切にしている価値観に寄り添うことが大切です。
「礼儀やエチケットにうるさい(厳しい)人」なら、こちらも居住まいを正して礼儀正しく接することから始めないと、心を開いてもらえません。
「素敵な装いをされているおしゃれな方」なら、ファッションの知識がこちらにはなくても「素敵ですね」「オシャレですね」と、まずはファッションに関してちゃんと言葉に出してほめるのが大事です。
なかなか一目で見抜くのが難しい場合も多いですが、そこは「合気道」の精神で、相手と「気」を合わせながら探っていきましょう。くれぐれも弱みを見つけて「マウント」しようなどと思わないこと! 合気道と同じで、会話も勝ち負けや優劣をつけるものではありません。