栗山監督と直筆の手紙WBC決勝に臨む栗山監督 Photo:Mary DeCicco/gettyimages

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)決勝で米国を破り、14年ぶりの世界一へと返り咲いた侍ジャパン。実は、その裏では「経営の神様」稲盛和夫の教えが大いに生かされていた――。日本中が歓喜に沸き立つ今、栗山英樹監督と稲盛氏の「側近中の側近」との交流を巡る、意外な秘話を栗山監督直筆の手紙の画像とともにお届けする。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

「WBC優勝」と「稲盛和夫」
両者を結びつけた奇縁とは?

 WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)優勝の裏には、“経営の神様”稲盛和夫の教えが生かされていた――。歓喜に沸く日本列島にあって、そんな知られざる奇譚を明らかにしたい。

 敵地であり、ベースボール発祥の地でもある米国との最終決戦に臨んだ3月22日のWBC決勝。大谷翔平選手が9回にクローザーとして登場し、最後はエンゼルスで同僚の主砲、マイク・トラウト選手を三振に仕留め、日本中を感動の渦に巻き込んだ。史上稀に見る劇的なシーソーゲームを制した準決勝メキシコ戦に続く快心の逆転勝利で、侍ジャパンは見事14年ぶりの世界一へと返り咲いたのだ。

 選手の活躍はもちろんだが、代表チームを率いた栗山英樹監督が大きな立役者であるのは間違いない。振り返れば、WBCでも投打で大活躍した二刀流のスーパースター、大谷を北海道日本ハムファイターズ時代に育て上げたのも栗山氏だった。

 そんな同氏が、以前から、稲盛和夫氏の経営哲学に敬服していることは知る人ぞ知る事実。実はWBC直前にも、ある書籍を通じて稲盛氏の教えを改めて心に刻み込み、監督業に生かしていた。しかも、著者に直筆の手紙を送るほどだから、稲盛氏の教えが少なからず優勝に貢献していたはずだ。