中国が巨大経済圏構想「一帯一路」のインフラ整備計画の借り手に対して実施している緊急支援が、外国政府が多額の債務に苦しむ中で膨らんでおり、海外融資戦略の見直しに取り組む中国政府が抱える不良債権問題の大きさを浮き彫りにしている。世界銀行が発表した新たな調査によると、中国は窮地に陥った借り手に対してしばしば不透明な支援を行っており、その規模の大きさは、中国政府が国際通貨基金(IMF)やその他の西側諸国の機関と並ぶ国際救済融資の新システムを事実上確立していることを意味している。研究者らによると、中国は苦境にある借り手に対して積極的に追加融資を行うため、痛みを伴う経済改革の必要性を回避することで借り手の難局を長引かせる恐れがある。また、中国の融資を巡る不透明な条件も、各国の本当の財政健全性を曖昧にすることで債務救済努力を複雑にする危険性があるという。
中国、「一帯一路」で融資拡大 不良債権問題浮き彫りに
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