テレビ東京「ガイアの夜明け」など、テレビで話題沸騰! 京都・西陣織の老舗「細尾」12代目経営者の細尾真孝さん。1200年続く伝統工芸・西陣織の織物(テキスタイル)を、ディオールやシャネル、エルメス、カルティエなど一流ブランド店の内装に展開するなど、衰退する西陣織マーケットに新風を吹き込む若き経営者だ。その取り組みは、ハーバードのケーススタディーとしても取り上げられるなど、いま世界から注目を集める元ミュージシャンという異色の経歴の持ち主。そんな細尾氏の初の著書が『日本の美意識で世界初に挑む』(ダイヤモンド社)。閉塞する今の時代に、経営者やビジネスパーソンは何を拠り所にして、どう行動すればいいのか? 同書の中にはこれからの時代を切り拓くヒントが散りばめられている。細尾氏のユニークな発想法、経営手法のいったんを同書から抜粋・編集してお届けする。

【TVで話題!】成長し続けたいなら、今すぐ捨てたほうがいい悪い習慣Photo: Adobe Stock

常識はすぐに変わる

 実際に私たちが「不可能」と思っていることのほとんどは、その気になれば可能なことが多いのです。

 技術が追いついていないなら、追いつくまで待てばいい。スキルが足りないなら、学べばいい。資金が足りない、人手が足りない……。それなら誰か強力な助っ人を探せばいい。

 方法はたくさんあるのに、私たちはそれを検証しようとしない。「不可能だ」という思い込みが、最初から刷り込まれてしまっているのです。

 本当は「やってみたら可能だった」ということは、世にたくさんあります

 新型コロナが流行するまでは、「社員全員がリモートワークなんて、うまくいくはずがない」と考えていた人もいると思います。

 ところが、一年間近くもリモートワークをするようになると、もはやそれが当然のことになってしまいます。

 コロナ禍が落ち着いたとしても、引き続きリモートワークを活用する会社は多いような気がします。

 そんなふうに、常識はすぐに変わってしまうのです。

 常識がすぐに変わってしまうからこそ、常識外の「逆転の発想」で早めにチャレンジをすれば、それだけ早くチャンスをつかめる可能性があります

常識破りのことなんて、
いくらでも世の中には起こりうる

 私は小学生のときにサッカーをやっていました。その頃は「日本人がワールドカップに出るとか、セリエAで活躍するなんて不可能だ」というのが常識だった時代です。日本人は身体が小さいし当たりが弱いから、当然海外では通用しない。みんながそう思っていました。

 でも今の小学生は、本気でW杯とかセリエAを目指しています。

 その間に何があったかというと、前例をくつがえした先人たちがいました。最初は九八年からセリエAで輝きを放った中田英寿選手であり、最近であればオランダ、ロシア、イタリアなどで活躍した本田圭佑選手、インテル・ミラノのサイドバックとして大きな実績を残した長友佑都選手などでしょう。

 そうやって活躍する選手が出てくるなかで、「身体が小さくても、体幹を鍛えれば、海外の選手に全然負けないんだ」と、常識が変化してきた。固定観念の壁が壊されたのだと思います。

 常識破りのことなんて、いくらでも世の中には起こりうるのです。

 自分の想像力を、固定観念の小さな枠にとどめてしまってはいけません。ぜひ、「逆転の発想」を活用して、それぞれの新しい可能性を切り開いていってください。

(※本稿は『日本の美意識で世界初に挑む』の一部を抜粋・編集したものです)

細尾真孝(Masataka Hosoo)
株式会社細尾 代表取締役社長
MITメディアラボ ディレクターズフェロー、一般社団法人GO ON 代表理事
株式会社ポーラ・オルビス ホールディングス 外部技術顧問
1978年生まれ。1688年から続く西陣織の老舗、細尾12代目。大学卒業後、音楽活動を経て、大手ジュエリーメーカーに入社。退社後、フィレンツェに留学。2008年に細尾入社。西陣織の技術を活用した革新的なテキスタイルを海外に向けて展開。ディオール、シャネル、エルメス、カルティエの店舗やザ・リッツ・カールトンなどの5つ星ホテルに供給するなど、唯一無二のアートテキスタイルとして、世界のトップメゾンから高い支持を受けている。また、デヴィッド・リンチやテレジータ・フェルナンデスらアーティストとのコラボレーションも積極的に行う2012年より京都の伝統工芸を担う同世代の後継者によるプロジェクト「GO ON」を結成。国内外で伝統工芸を広める活動を行う。2019年ハーバード・ビジネス・パブリッシング「Innovating Tradition at Hosoo」のケーススタディーとして掲載。2020年「The New York Times」にて特集。テレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」でも紹介。日経ビジネス「2014年日本の主役100人」、WWD「ネクストリーダー 2019」選出。Milano Design Award2017 ベストストーリーテリング賞(イタリア)、iF Design Award 2021(ドイツ)、Red Dot Design Award 2021(ドイツ)受賞。2021年9月15日に初の著書『日本の美意識で世界初に挑む』を上梓。