「コミュニケーションは“お笑い”のスキルでもっとうまくいきます」。そう語るのは、元芸人でネタ作家の芝山大補氏だ。芸人300組以上のネタ制作に携わった経験を活かし、ビジネスパーソンから一般の方まで幅広い層に「コミュニケーションに活きる笑いのスキル」を教えている。そのノウハウをまとめた初の著書『おもろい話し方 ~芸人だけが知っているウケる会話の法則』が話題を集めている。「初対面でも会話が続く人がやっていること」「トークで相手を引き込むコツ」「相手の心に10倍響く“感想”の伝え方」「好かれるリアクションの極意」「すべらない話の作り方」「お笑いタイプ診断」など、元芸人ならではのコミュニケーションノウハウが満載の一冊だ。今回は、その芝山氏に意見を聞かれて困ったときの対象法について教えてもらった。

「あなたはどう思う?」と意見を求められて困ったとき、二流は“戸惑ってしまう”。では一流は?Photo: Adobe Stock

誰もが困ってしまう「あなたはどう思う?」という質問

 今回は、「意見を求められて返答に困ったとき」の対処法について紹介していきます。

 皆さんも、普段の会話や会議などで、返答に困る質問をされたことがあると思います。とくに困るのが、「●●さんのこと、どう思う?」「■■について、あなたはどう思う?」といった意見を求められるケースです。

 そんなときに「そうですね……」と戸惑い、あいまいな意見を述べていては「自分の意見のない人」「できない奴」「つまらない人」と思われてしまいます。反対に、ハッキリ自分の意見を言った場合も、相手の考えと違って大怪我をしてしまう可能性があります。だから、みんな困ってしまうわけです。

意見を聞かれたら、相手に先に言わせる

 では、どうすればいいのか。このとき、「相手に先に言わせる」という方法がオススメです。たとえば、こんな感じです。

Aさん「あのさ、このプロジェクトについてぶっちゃけどう思う?」
あなた「そうですね……Aさんはどう思っているんですか?
Aさん「ん~正直に言えば、このままだとまずいと思っているんだよね」

 このように、先に相手に考えを言わせてしまえば、自分も同意見であれば「私もそう思います」と共感できますし、意見が違う場合でも、相手の意見を受け止めたうえでの発言となるので、その印象はまったく変わってきます。

 意見を求められて困ったら、相手に先に言わせる。これを覚えておくだけで、コミュニケーションはもっとラクになるはずです。

芝山大補(しばやま・だいすけ)
ネタ作家
1986年兵庫県生まれ。2007年、NSC大阪校に入学。2009年、2011年には、それぞれ別のコンビでキングオブコント準決勝進出。2015年にはフワちゃんと「SF世紀宇宙の子」を結成。同コンビを解散後は、ネタ作家に転身。賞レースのファイナリスト、セミファイナリストなど、芸人300組以上のネタ制作に携わる。2019年からは、「笑いの力で人間関係に悩む人を救いたい」という想いから、お笑いの技術を言語化して伝える「笑わせ学」に取り組む。講義やイベントでの指導、YouTubeやTikTokでの活動を通じて、多くの人に芸人の技術を伝えている。発売から続々重版が決まっている初の著書『おもろい話し方』が絶賛発売中。