新しい職場や環境で緊張したり、新入社員が入ってくることでプレッシャーを感じたり、新年度を迎えて悩みや不安を抱えるビジネスパーソンはたくさんいます。
また、「会社や上司から正当に評価されていない気がする」「夢や目標が見つからなくてあせっている」「なかなか成果を出せずに停滞している」「学生時代と社会人になってからのギャップに戸惑っている」「自分に噓をついて働くのが正直しんどいと感じている」といった仕事の「壁」にぶつかってしまい、立ち止まってしまう人も。
そこで、30代で経営者歴10年以上、『20代が仕事で大切にしたいこと』著者の飯塚勇太氏に、20代が知っておくべき「やらなくてもいい仕事」の見分け方について伺いました。
(編集/和田史子)

20代が知っておくべき「2種類の仕事」とは?Photo: Adobe Stock

仕事には2種類ある

まず押さえておきたいのは、仕事には2種類あるということです。
①成果が出る仕事
②成果が出ない仕事

「成果」とは、会社や部署、職種によってさまざまですが、一言でいえば、最も期待
値が高いところ
を指します。本来の目的に集中するという言い方もできます。

80:20の法則という言葉をご存じでしょうか。
ある要素の2割が全体の8割の成果を生み出しているというものです。
上位2割のクライアントが、全体の8割の売上を占めている状況などを指します。
この会社の営業パーソンであれば、上位2割のクライアントが最も期待値が高いところといえるでしょう。ここに最大限の時間と労力を使うのです。

やらないことを決める

市場が縮小する一方なので、新規開拓で新たなマーケットを探すほうが大事となれば、そこに集中するというやり方もあります。
もっと簡単な言い方をすると「ワンパンチで成果が出ること」をやる、ということ。
例えば、試験に出るところだけ勉強するイメージです。
逆に、期待値の低いところ、試験に出ないところはやらない、ということです。

ワンパンチで成果を出すためには、やらないことを決めることがとても大切です。

やらなくていいこと、それは「成果が出ない仕事」です。無駄な資料作り必要のない会議への参加などを指します。

新入社員の頃はこの「成果が出ない仕事」の存在が不思議でなりませんでした。なぜやる必要のないことをやらなければならないのかと。でも多くの人が仕事に慣れてくると、考えることなく業務をこなすようになり、「成果が出ない仕事」をやること自体に疑問を持たなくなります。こうなってしまうと危険です。

「自分はこんなにがんばっているのだから、もっと評価してほしい(見てほしい)」
こんなふうに思ったら、危険信号です。
次のように自問しましょう。
「そのがんばりって、本当に成果につながっているかな?」

とにかく成果を出すために大切なのは、成果が出ることに最大限の時間とパワーを使う」ことです。「仕事は全部やる」のではなく、優先順位をつけ、成果を出すために大事な仕事だけに時間とパワーを集中させるのです。

※この連載では、20代のみなさんが仕事をする上で知っておいたほうがいいことをお伝えします。
(飯塚勇太著『20代が仕事で大切にしたいこと』から一部を抜粋・改変しています)

飯塚勇太(いいづか・ゆうた)
株式会社サイバーエージェント専務執行役員
1990年神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。
2011年、サイバーエージェントの内定者時代に、友人らと開発・運営した写真を1日1枚投稿し共有するスマートフォンアプリ「My365」を立ち上げ、21歳で株式会社シロク設立と同時に代表取締役社長に就任(現任)。2014年、当時最年少の24歳でサイバーエージェント執行役員に就任。2018年株式会社CAM代表取締役、2020年株式会社タップル代表取締役に就任(現任)。2020年サイバーエージェント専務執行役員に就任(現任)。
『20代が仕事で大切にしたいこと』が初の著書となる。