「英語を話せるようになりたい」という人にぜひ読んでほしい1冊が『5分間英単語』だ。1トピック5分のトレーニングで、日本人の英語学習に不足しているボキャブラリーを拡大し、スピーキングやリスニングなど実践的な英語力アップに役立つ1冊だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では『5分間英単語』から特別に一部を抜粋して紹介する。
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go：意外と知らない「～になる」のニュアンス
go：（1）「～になる」、（2）「進行する、ある結果になる」、（3）「～のものとなる」、（4）「去る、死ぬ」、（5）「（動物が）～と鳴く」
goは「行く」という文字通りの意味の他にも、様々な使い方をする。
まず、go bald（はげる）、go blind（盲目になる）のように、後ろに形容詞を続けて「～になる」という意味で使われる。becomeやgetが幅広く「～になる」という意味を表すのに対し、goは「正常な状態を脱して好ましくない方向に変化する」というニュアンスで使うことが多い。
また、「調子はどう？」の意味で、How are things going？やHow’s it going？という形を使うが、これらは直訳すると「物事（things/it）はどんな具合に動いていますか？」。つまり、このgoは「物事の進行」を意味している。他にも、It went pretty well.（それはとてもうまくいきました）のように「物事の結果」を表す用法もある。
まとめると、go自体に「物事の動き」を表す意味があり、それがHow are things going？のような進行形では物事の進行具合を意味し、過去形で使うと最終的な結果を表すというわけだ。
それから、アカデミー賞の授賞式で受賞者を発表する際に、“The Oscar goes to ... Leonardo DiCaprio！”のように言うのがお決まりだが、このように「賞が～のところへ行く＝賞が～のものとなる」というときにもgoが使われる。
他にも、goには「（組織などから）去る、処分される、（転じて）死ぬ」「（動物が）～と鳴く」という意味もある。
goの例文を見てみよう！
The milk will go bad if you don’t put it in the fridge.
「冷蔵庫に入れておかないと、牛乳が腐ってしまうよ」
Suddenly the sky went dark and it started to rain.
「突然空が暗くなり、雨が降り始めた」
The company went bankrupt last year.
「その会社は昨年倒産した」
My hair is starting to go grey.
「私の髪は白髪になり出している」
“How’s everything going？” “Everything’s going fine.”
「調子はどうだい？」「万事問題ないよ」
“How did the presentation go？” “It went pretty well.”
「プレゼンはどうだった？」「とてもうまくいったよ」
“It goes like this,” he said, and started to play his guitar.
「『こんな感じの曲なんだよ』と彼は言って、ギターを演奏し始めた」
◆ メロディーの「進行」を表す際にも使う
The 2016 Nobel Prize in Literature went to Bob Dylan.
「2016年のノーベル文学賞はボブ・ディランが受賞した」
まだまだgoにはこんな使い方もある！
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He has to go.
「彼には辞めてもらわなければならない」
These old books have to go.
「この古い本は処分しなければならない」
Jim went peacefully this morning.
「ジムは今朝、安らかに息を引き取った」
Jim is gone, but not forgotten.
「ジムは亡くなったが、忘れられたわけではない」
◆ be gone but not forgottenは「亡くなっても忘れられはしない、心の中で生きている」というニュアンスで使う表現
Cows go “moo.”
「牛は『モー』と鳴く」
◆ このように〈go＋鳴き声〉の形で用いる
□ prize（名）賞
□ literature（名）文学
（本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。）
