最近の銀行業界の混乱が、どれほど米経済の重荷になるかは分からない。だが、米商務省が3月31日発表したインフレ統計は、米連邦準備制度理事会(FRB)にとって利上げを継続して後に失敗だったと気付くのではなく、まずは様子見するほうが賢明だと思わせてくれる内容だった。米商務省が発表した2月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前月比0.3%上昇、前年同月比5.0%上昇した。PCEはFRBが物価指標として重視している。より重要なのは、食品・エネルギーを除いたコアのPCE価格指数も前月比0.3%上昇だったことだ。上昇率はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエコノミスト調査を小幅ながら下回ったうえ、1月の改定値も下方修正された。前年同月比では4.6%上昇で、依然としてFRBが望む水準を大きく上回るものの、2021年10月以来の小幅な伸びにとどまった。
銀行混乱とインフレ鈍化、FRBに様子見促すか
利上げは慎重姿勢が賢明な理由
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