南米ガイアナ沖にあるエクソンの巨大油田の掘削設備の準備に使われたガイアナの港湾施設南米ガイアナ沖にあるエクソンの巨大油田の掘削設備の準備に使われたガイアナの港湾施設
PHOTO: OSCAR B.CASTILLO FOR THE WALL STREET JOURNAL

 米石油大手エクソンモービルが大型買収を狙っていることで、米シェール業界に合併・買収(M&A)の波が一気に押し寄せる可能性が出てきた。買収原資は潤沢に積み上がっており、ターゲットに照準を定める動きが活発化しそうだ。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先週、エクソンがシェール大手パイオニア・ナチュラル・リソーシズ(時価総額およそ52億ドル=約6900億円)を買収する方向で予備協議を行っていると報じた。エクソンはパーミアン盆地で事業を展開するシェール業者の取得を目指しており、パイオニア以外に少なくとも1社と協議を進めているという。

 こうした動きは、米国で最も石油生産が盛んなパーミアン盆地を舞台とする業界の再編加速を告げる号砲となりそうだ。石油会社のバランスシートは健全で、買収ターゲットを飲み込む財務力とその手段を有している。