「人たらし」は性悪説に立つ?人間関係は“細かいこと”にこそ気をつけよ人間関係というのは、想像以上に、弱い基盤から成り立っている。相手と信頼関係が築けていると思っても、油断せずにせっせと相手に尽くしたほうがいい。過剰なサービスをくり返し行うことが、人たらしのコツだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA
*本記事は本の要約サイト flier(フライヤー)からの転載です。

おすすめポイント

 強烈なタイトルの一冊である。人たらしにはネガティブなイメージがつきまとう。だが、本書は人たらしを「人をうまく味方につけること」「多くの人々に好かれること」ととらえ、肯定的に評価する。人たらしになるためには、相手の喜ぶことを考え、それをあえてやってあげなければならない。それは何ら悪いことではない。むしろ、いいことなのだと評価することが、人たらしへの第一歩だ。

 本書では、心理学をビジネスシーンなど実践の場に応用することに注力している著者が、多くの人々に好かれる「人たらし」の60の技術を解説する。タイトルのインパクト通り、本書の技術を実践すれば大きな効果をもたらしてくれそうであるが、内容は堅実だ。人の目を見る、挨拶をするなど、ブラックなワザというよりも、多くの人から好かれるために日頃から心がけておきたい心得も多い。だが、そうした小さなことを実践できるかどうかが、積み重なって大きな差になっているとも言えるだろう。各テクニックは、心理学の実験や研究の成果を交えて書かれていて、納得して取り組みやすいのも魅力的だ。

 実践しやすさにも配慮され、読んだらすぐ実践できるテクニックが多い。日頃から意識し、習慣化することで、あなたの魅力をより一層引き出せるだろう。(木下隆志)