江川卓、伊藤智仁、村田兆治…「メジャーで通用する過去の名選手1位」は?村田兆治(左)、江川卓

 ダルビッシュ有、大谷翔平、吉田正尚、鈴木誠也ら多くの日本人選手がメジャーでプレーしているが、野茂英雄がドジャースに入団してメジャー挑戦するまでは、日本人選手が海の向こうでプレーする世界は想像できなかった。野茂の挑戦に対しても活躍に懐疑的な見方は少なくなかったが、「トルネード投法」で2ケタ勝利を7度挙げるなど、メジャー通算123勝をマーク。日本人選手にメジャー挑戦の門戸を開いたその功績は、計り知れない。

 ただ、1980~90年代にも米国のスカウト陣から「メジャーでも通用する」と絶賛された選手たちがいた。西武、ダイエーでプレーした秋山幸二はその代表格だろう。今回は新聞、テレビ、ネットメディアなど関係者に「メジャーで通用する過去の名選手」を調査。身体能力が並外れていた秋山、ロッテでプロ野球唯一の三冠王を3度獲得した落合博満、巨人で2年連続20勝を挙げるなど最多勝を5度獲得した斎藤雅樹、快速球を武器に「炎のストッパー」と形容された広島の津田恒美、下半身を沈み込ませる独特なフォームで多彩な変化球武器に活躍した大野豊、中日で90年代にエースとして活躍した今中慎二の名前が挙がった。

 その中で、3位となる3票を集めたのが村田兆治だ。左足を高々と蹴り上げ、右腕を豪快に振り下ろす「マサカリ投法」で通算215勝をマーク。最多勝1度、最優秀防御率3度、最多セーブ投手1度受賞し、剛速球と落差の大きいフォークを武器にシーズン最多奪三振に4度輝いた。

 スポーツ紙記者は「村田さんはメジャーでも勝てたんじゃないかなあ。助っ人外国人たちはあのフォークを全然打てなかった。メジャーは縦の変化が有効と言われている。実際に野茂が直球とフォークの2種類で三振の山を築く姿が、村田さんと重なって。変則フォームという共通点もある。もう少し遅い時代に活躍していたら、間違いなくメジャーの球団からオファーが来たと思う」と振り返る。