『風、薫る』第93回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第93回(2026年8月5日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)
助っ人直美、大活躍
赤痢患者の対応に大わらわのりん(見上愛)のもとに直美(上坂樹里)が助けにやってくる。
東京に帰ったはずの直美。駅の近くで赤痢が出たと聞いて、りんならきっと手を差し伸べているであろうと予想してやって来た。シマケン(佐野晶哉)に環(英茉)を預けて。シマケンもついてきた甲斐があった。
りん「でも私がいなかったからどうしてたの?」
直美「でも、いた」
バディ感、漂うセリフだ。
直美はさすがしっかり者。テキパキと、横沢(井上祐貴)にも必要物資を届けてもらうように頼んでいた。シマケンの味方をしているのに、横沢も動かすのだからちゃっかりしている。
黒川(平埜生成)が、田島(中野英樹)と共に鍬を使ってお手洗いの穴を掘っていると、横沢が取材にくる。
「人々の伝染病の理解のために。私を使ってみませんか?」と自ら穴掘りの手伝いをしながら持ちかける。
「伝染を抑えるには毎日出る大量の排泄物を処理して、清潔を保つことが肝要。これが医療だ」と語る黒川。作業しながら取材を受けている形であろうか。
黒川のこの汚物の処理を重要とする考えは、原案の『明治のナイチンゲール 大関和物語』(田中ひかる著)で大関和が重要視したこととして記されている。医者とは上級民のようにスンと澄まして診療するのではなく、汚れ仕事も請け負うことなのだ。
直美はさっそく病室に入る。廊下に転がっている柳生(中村倫也)が他の患者に「出ていけ」と邪険にされていて。見かねた直美がきっぱり宣言する。
「皆さん、まさか本当にこの人が赤痢を持ち込んだと思ってるわけではないですよね。この人のせいにして、安心したいのかもしれませんが。院内での差別を私たちは決して認めません」







