どんなにコミュニケーションが難しい場面でも、柔らかな雰囲気で場を和ませる「感じのいい人」には、共通した言い方があるという。トップクラスのビジネスセミナー講師が明かす、周囲との関係を上向かせる“かわいい言い方”とは。本稿は、山崎拓巳『なぜか感じがいい人のかわいい言い方』(サンクチュアリ出版)の一部を抜粋・編集したものです。
“急ぎの仕事”の依頼は
相手に聞く姿勢を作ってもらう
相手の負担があまりにも大きい。そんな大変なお願い事をするときは、どう伝えたらいいかわからなくて、つい先送りしたくなるもの。でもいつかは伝えないといけない。ならばどう伝えればいいのか。
大変な依頼内容は先に話すと、相手にショックを与えるかもしれません。
ですから、ぼくはこんな順序で伝えることにしています。まず最初に「ただただ申し訳ないという気持ちでいっぱいなのです」という謝罪をします。
相手が「早く教えてください。なんかこわいよ~」と本題を催促しはじめたら、「じつはこういう事情がありまして」と理由を説明します。そして「○○さんのチカラを借りて、要するにこれをお願いしたいのです」という本題は最後に伝えます。
普通ならば「A・○○をやってほしい(本題)」「B・なぜならこうだから(理由)」「C・申し訳ありません(謝罪)」という具合に、A→B→Cの順番で話すところを、「C・申し訳ありません(謝罪)」「B・こういうわけで(理由)」「A・○○をやってほしい(本題)」という具合に、C→B→Aの順番で話すのです。
こうして先に「聞くことに対する覚悟」を持ってもらった上で、重要度をお伝えすることによって、引き受けていただける可能性は高まります。
大人の言い方:「急いでやっていただけますか」
↓
かわいい言い方:「ただただ申し訳ないという話なのです」
壁をつくらずに
“おことわり”する言い方
忙しくて時間が取れないときや、気乗りしないときもあるかもしれません。でもパーティー、イベント、飲み会などのお誘いを受けたときは、ぼくはできるだけ参加するようにしています。
誘われるということは、そこに自分にとって有益な「縁」と「ヒント」が隠されているかもしれないと思うからです。行こうかどうしようか迷ったら行くべきです。
それでも事情によって、どうしても参加できないときもあります。そんなときはどんな風にお断りすれば、相手に感じよく伝わるのでしょうか。
中には「行けない理由」を一生懸命説明しようとする人がいます。相手に対する申し訳ない気持ちがそうさせるのだと思いますが、これはきっと逆効果でしょう。「あなたとの予定よりも、こちらの予定の方が私にとっては価値が上だ」という考えを強調するだけだからです。