短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を徹底研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「20年に一冊の本」とミリオンセラー会計士に絶賛された『売上最小化、利益最大化の法則』に続き、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。【がっちりマンデー!!】(TBSテレビ系)のSNSで、「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜され話題となっている。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。

圧倒的に目標達成する人が絶対しないこと

毎回必ず達成できる人の
「思考アルゴリズム」と3つの手順

 前回は、「毎回目標達成できない人」の「思考アルゴリズム(考え方のクセ)」を紹介した。

 一方、「毎回必ず達成できる人」はこんな「思考アルゴリズム」を持っている。

 作戦Aがうまくいく確率は25%(感覚値でOK)なので、残り75%を埋める作戦Bを並行して用意する。

 あるいはそれぞれ25%の作戦C、D、Eの3つを用意し、残り75%を埋める。

 毎回必ず達成できる人の「必ずやる」は「達成確率の合計100%分の作戦を用意してやる」ということ。

 よって、「実業務」前の「作戦づくり」に多くの時間と労力をかける。

 作戦を考える場合は次の3つの順序で行う。

1 「着眼法」(▼本書P106)で考える。

 他者のうまくいっている方法を検索したり、うまくいっている人に聞いたりする。

2 作戦を「2段階」で考える。

 最初から予算や権限の枠内で考えたら脳内に制限がかかって作戦の幅が狭くなる。

 そこで、まず難易度の高い課題に対し、「もし予算や権限無制限ならどんな方法で実現できるか」を考える。

 もし、イメージが湧きにくいときは「予算1億~10億円。社長と同じ権限を持っているならどうするか」と考えてみる。

 次に、その考えついた方法を「予算や権限的に現実的なところまでどう絞り込むか」を考える。

3 日々状況が変わることで「足りなくなった達成確率」を確認しながら、足りない分の作戦を補充する。

 作戦が失敗してから急に「新しい作戦」を考えると大変なので、常に100%分を用意しておく。

 するとダメになった分だけを追加すればいい

“1日1回の戦略改善”で
60回戦略を見直した人の強み

 進捗状況を確認しながら、「このままでは達成できない」とわかったときは、すぐに現業務をやめ、戦略の練り直しを行う。

 このままでは達成できないことがわかっていながら、今のやり方を続けても意味がない。

 戦略を立て直すときは、いったんすべてやめ、ゼロから作戦をつくり直す

 今までの延長線上でがんばるのではなく、いったんリセットして「最終目的逆算思考」で最適な方法を探し直すのだ。

 このとき、今までやってきた業務がムダになってもいい

 戦略がないと、「今やっている業務」をよりがんばろうとする。

 戦略があると、「今、何をやっているか」ではなく、常に「目標達成に最も可能性が高い業務」に切り替えようとする。

 よって戦略がないときに比べ、生まれる作戦のが圧倒的に増え、質も圧倒的に高くなる。

 一番大事なのは、最後の1日まであきらめないことだ。

 あきらめずに考え続け、1日1回の戦略改善を行えば、最低でも1か月の営業日で20回、3か月なら60回も戦略を見直すことができる。

「作戦Aがダメだったからうまくいかなかった。でも自分はやりきったから満足という人」と、「作戦Aがダメだとわかり、60回戦略を見直して目標達成した人」とでは、わずか3か月で実力に大きな差がついてしまうのは当然だろう。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)