終電ギリギリまで残業しているのに仕事が終わらない人と、必ず定時で帰るのに成績No.1の人。この差はいったい何だろう? 努力が成果に反映されない根本的な原因はどこにあるのだろうか? そんな悩みを本質的に解決してくれるのが、『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。
著者は、東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の北の達人コーポレーション(東証プライム上場)社長・木下勝寿氏。
「食べチョク」秋元里奈代表の「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜され、【がっちりマンデー!!】(TBSテレビ系)のSNSで取り上げられた本書。年度が切り替わるこの春、『時間最短化・成果最大化の法則』ブームはますます加速していきそうだ。
そこで今回、『365日 #Tシャツ起業家』の著者でもある秋元代表に、本書の活用術を教えてもらうことにした。
第4回目は、「圧倒的に仕事が速い人に共通する時間の使い方」をテーマに話を聞いた。(構成・川代紗生)

圧倒的に仕事が速い人の絶対ミスしない時間の使い方

「作業スピード」が原因ではない!
仕事が遅すぎる人に共通する致命的な勘違い

──高学歴でポテンシャルが高く、仕事は丁寧。会社からも期待される人材だが、今ひとつ、スピード感だけが足りない……。

 せっかく優秀なのに「仕事が遅い」という欠点が足を引っ張っているケースはよくありますね。この問題を根本的に解決するには、どうしたらいいでしょうか?

秋元里奈(以下、秋元):時間最短化・成果最大化の法則』にある「仕事が速い人に共通する後でじっくり考えない法則」を取り入れるのがいいと思います。

 この法則は、その名のとおり、無意識にやってしまいがちな「後でじっくり考えよう」という考え方のクセを撲滅しよう! というもの。

 仕事が遅い人は、

「自分は頭の回転が遅いんじゃないか」
「作業スピードに差がありすぎるのではないか」

 と考えてしまいがちですが、実は仕事が遅い原因の大半は、「実業務への『着手』が異常に遅い」ことにある、と書かれています。

実は、その仕事の初心者を除くと、ある業務にかかる時間の長さと、社会人としての経験値はほとんど関係ない。
1日の成果が10の人と、成果が2の人の時間の使い方をまとめた。(*上記図表3)
(中略)大きく違うのは、「アイドルタイム」(実業務をしていない時間)だ。
成果2のCは、成果10のAに比べ、調べたり、確認したり、考えたり、準備したりという実業務に取りかかるまでのアイドルタイムが異常に長い。(本書P46~47)

「抽象度の高いお題」ほど、1%でも着手する

──この「アイドルタイム」の概念は、私も初めて読んだとき、衝撃を受けました。
完全に「B:1日2しか成果を出せない人の間違ったイメージ」を抱いていたので……。

秋元:私もそうだったのですが、いわゆる優等生タイプの人は、抽象度の高いお題を与えられたときほど、行き詰まってしまうことが多いんです。

「どこかで3時間くらい時間をとってじっくり考えよう」と後回しがち。

 でも実は、木下さんが書かれているように、とりあえずでいいので、早めに着手するのが大切。

「時間を確保してからやろう」と、いつまでも着手しないと、いざやろうというときに「思い出す時間」がかかる。

 すると、記憶が鮮明ではないので、結果的に仕事の精度も低くなってしまうのです。

──クオリティを上げるためにやっていたつもりが、結果として、スピードも精度も低くしているかもしれないわけですね。

秋元:まず、まとまった時間がとれないといい仕事はできない、という思い込みを捨てましょう。タスクを細かく区切り、毎日ちょっとずつでも仕事を進めること。

 私も20代の頃、スケジュールの立て方に関してあれこれ悩んでいましたが、『時間最短化・成果最大化の法則』にもあるように、「思考アルゴリズム」を少し変えるだけで、働き方はガラッと変えられると思います。

 私自身、これから年齢を重ねながら会社を成長させる過程で、いろいろ悩みが出てくると思いますが、月日が経っても繰り返し読み返したい、そう思える本でした。

 今後もありがたく使わせていただこうと思っています!