印象を変える名著『第一印象の魔法』が話題となっている。心理学の知見から「言動」と「人に与える印象」の関係性を読み解いた、世界21ヵ国で刊行されるロングセラーの一冊だ。「人を惹きつけるしぐさ、遠ざけるしぐさ」「職場でのごますりは絶対にやったほうがいい」「歓迎される外見、拒否される外見」「興味のない話題が出たときの”感じのいい対処法”」など、仕事、就活・転職、人間関係、恋愛……さまざまな出会いに効く驚きのメソッドが紹介されている。今回は、本書の内容の一部を特別に公開する。
「また会いたい」と思われる人がやっている「4つの贈り物」
第一印象を良くするために「相手の気分」に意識を向けることが大切だ。相手の気分を高めれば、結果的にあなたの印象もよくなる。
では、相手の気分を上げるために、具体的に何をすればいいのか? 人は何を望むのだろう?
何を求め、何を必要とするかは人によってさまざまだが、誰もが共通して望む「4つの贈り物」がある。
① 相手を評価する
相手に評価されるのが嫌いな人はいない。直接または間接的に「才能がある、おもしろい、頭が良い、魅力的」と伝えると、相手は自分の資質を誇りに思い、自己肯定感が上がる。
② つながりを示す
つながりとは、相手と交差するポイントを見つけることだ。共通の友人、共通の趣味、似たような経験など。これを相手に示す方法はシンプルで、「私もあの映画が大好きです」「私も同じように感じています」と、同じ感覚であると表明すればいい。「私とあなたは似ています」と伝えるのだ。すると、相手は理解されたと感じ、仲間意識が持て、あなたへの好感度が上がる。
③ ポジティブな空気をつくる
人は本来、明るい気分になったり、笑ったり、元気をもらったりするのが好きだ。そして、そういう気分にさせてくれる人にひかれる。何もコメディアンにならなくていい。笑顔でいる、その瞬間に集中する、遊び心や楽しさを演出する、その場のポジティブでユーモラスな要素に注意を向ける、といったことで、相手の気分を上げることはできる。
④ 好奇心を満たす
誰にでも好奇心があり、何か新しいことを学びたいと思っている。おもしろい事実、アイデア、視点、時事問題、さらには雑学などだ。情報を与えるスキルがあれば、刺激的で魅力的な人になれる。何も、難しい話題や国際情勢の話でなくてもいい。通勤途中で気になったこと、観たばかりの映画やおもしろかったニュースの内容を話せばいいのだ。
このうち、自分が何を与えていて、何を与えていないかがわかれば、相手に与える印象はもっと把握しやすくなる。
(本原稿は、『第一印象の魔法』の内容を抜粋・編集したものです)
アン・デマレイス、バレリー・ホワイト
ファーストインプレッション社の創業者。ともに心理学博士。経営者や企業幹部の「第一印象」のコンサルティングに特化したユニークな事業は、新聞、雑誌をはじめ、BBC、CBSなど、多くのメディアで取り上げられ反響を呼んでいる。世界21ヵ国で刊行、全米ロングセラーの『第一印象の魔法』が日本でも刊行。