「あれ? いま何しようとしてたんだっけ?」「ほら、あの人、名前なんていうんだっけ?」「昨日の晩ごはん、何食べんたんだっけ?」……若い頃は気にならなかったのに、いつの頃からか、もの忘れが激しくなってきた。「ちょっと忘れた」というレベルではなく、「しょっちゅう忘れてしまう」「名前が出てこない」のが、もう当たり前。それもこれも「年をとったせいだ」と思うかもしれない。けれど、ちょっと待った! それは、まったくの勘違いかもしれないのです。
そこで参考にしたいのが、認知症患者と向き合ってきた医師・松原英多氏の著書『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』(ダイヤモンド社)だ。本書は、若い人はもちろん高齢者でも、「これならできそう」「続けられそう」と思えて、何歳からでも脳が若返る秘訣を明かした1冊。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、脳の衰えを感じている人が陥りがちな勘違いと長生きしても脳が老けない方法を解き明かす。
たんぱく質不足で陥る困難
【前回】からの続き たんぱく質が足りないと、酸素不足で貧血になったり、抗体が減って免疫力が落ちたりします。
そして、筋肉が減ると、血液を巡らせるミルキング・アクションが作用しにくくなり、活発に動けなくなります。
筋肉は使わないと減る一方ですから、動けなくなると筋肉の減少に拍車がかかります。行き着く先は、「フレイル」(虚弱)です。
認知症発症のきっかけに
フレイルとは、「健常者」と「要介護者」の中間に位置します。たんぱく質不足と、それにともなう活動不足の状態が続くと、要介護に陥りやすくなるのです。
フレイルも要介護も、認知症発症のきっかけになります。【次回に続く】
※本稿は、『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』より一部を抜粋・編集したものです。