意外かもしれないが、富裕層はセオリーに従った地道な運用を貫いて資産を増やしている人たちが多い。そこで特集『シン富裕層の投資・節税・相続』(全24回)の#3では、富裕層が実践する「七つの鉄則」を紹介する。全ての投資家に役立つ内容なので、ぜひ参考にしてほしい。(Oxford Club Japanチーフ・ストラテジスト 志村暢彦)
知らない、やらない投資家は格差拡大
伸び盛り富裕層の投資「7つの鉄則」
買い場なんじゃないですかね――。旧知の伸び盛り富裕層たちはひるむことなく、かといって背伸びして強がるわけでもなく、淡々とグローバル投資を継続している旨を筆者へ知らせてきている。
2022年は粘着質なインフレに見舞われた。新型コロナウイルス禍で行われた「やり過ぎなほどの金融緩和政策」のツケが回ったといえる。米連邦準備制度理事会(FRB)は異例の速度での利上げを実施。結果として、株価が下落した上、債券もここ100年で類を見ないほど価格が下落した。
初級投資家は「利上げが停止して株価が上昇するまで待ちます」と言ってくるケースが多い。一方富裕層は、ニュースで目にするエコノミストの意見やちまたをにぎわす悲観論を額面通りには受け取らず、自分なりの解釈に昇華することが多い。今回の景気後退懸念がはびこる期間も同様だ。
彼らは決して無謀な“賭け”を挑んでいるわけではない。彼らなりの成功体験をある程度ロジックに落とし込んで、説明のつくところとつかないところを切り分けて、合理的な判断をしている。
そこで次ページ以降では、そんな彼らに刺さる資産運用術「七つの鉄則」をご紹介しよう。