シン富裕層の投資・節税・相続#22Photo:PIXTA

「高級住宅街」と呼ばれるエリアは日本全国にあるが、高額な相続税を納める富裕層はどこにいるのか。国税庁の統計データを基に、日本全国を12分割してエリア別にランキング形式でご紹介する。特集『シン富裕層の投資・節税・相続』(全24回)の#22では、中国地方のランキングをお届けしよう。(ダイヤモンド編集部副編集長 鈴木崇久)

「週刊ダイヤモンド」2023年4月29日・5月6日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

相続税の納付額が大きい
税務署ランキング【中国地方】

 国税庁の統計の中に、日本全国の相続税関連データを税務署別にまとめたものがある。これを見れば、相続税の納付額が大きい税務署が分かり、その管轄地域に富裕層がいると類推できる。

 そこで日本を12分割し、エリアごとに税務署別の相続税納付額を集計し、「相続人(遺族)1人当たりの相続税納付額」を算出してランキングを作成した。

 12エリアは次のような区分としている。

・北海道
・東北地方(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の6県)
・北関東・甲信地方(茨城、栃木、群馬、山梨、長野の5県)
・埼玉、千葉、神奈川の3県
・東京都
・北陸地方(新潟、富山、石川、福井の4県)
・東海地方(岐阜、静岡、愛知、三重の4県)
・京阪神を除く近畿地方(滋賀、奈良、和歌山の3県)
・京都、大阪、兵庫の2府1県
・中国地方(広島、岡山、山口、鳥取、島根の5県)
・四国地方(愛媛、高知、徳島、香川の4県)
・九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の7県)、沖縄県

 さらに補足データとして「相続税の納付総額」も掲載した。

 税務署の管轄地域によっては、相続税の課税対象が少数の富裕層に限られた結果、ランキングの指標である1人当たり相続税納付額が引き上がっているケースがあると想定される。ランキング上位ではあるけれども相続税の納付総額が他の地域と比べて大きく劣るという場合は、そのケースに該当すると考えられる。気になったときは参照していただきたい。

 また、富裕層が幾らぐらいの遺産を残したのかを知る参考情報として、遺産の課税価格の「被相続人1人当たり課税価格」と「課税価格総額」を付け加えた。課税価格は遺産から控除額を差し引いた金額であり、不動産などの遺産が時価より低く計算される場合が多い。実際の遺産はさらに高額とみていいだろう。

 では、次ページでランキングを公開しよう。